「職場でいじめられているけど、誰に相談したらいいかわからない」「介護の現場っていじめが多いって本当?」と悩んでいる方はいませんか。
残念ながら、介護の現場では人間関係のトラブルやいじめが起きやすい環境があります。閉鎖的な空間で少人数のチームが長時間一緒に働くため、人間関係のストレスが蓄積しやすいのです。

この記事では、介護職のいじめの実態と具体的な対処法、相談できる窓口を詳しく紹介します。つらい状況を変えるための第一歩として、ぜひ読んでみてください。
介護職でいじめが起きやすい理由
介護の現場でいじめや人間関係のトラブルが発生しやすい背景には、いくつかの構造的な要因があります。
閉鎖的な環境
介護施設はオフィスのように外部の人が出入りする機会が少なく、限られたメンバーで毎日顔を合わせます。外部の目が届きにくいため、いじめが表面化しにくい構造になっています。
人手不足によるストレス
慢性的な人手不足により、一人あたりの業務量が多くなりがちです。余裕のない状況では些細なことでイライラし、そのストレスが特定の人に向けられることがあります。
年齢・経験の差が大きい
介護の現場には幅広い年代のスタッフがいます。ベテランと新人の間で価値観や仕事のやり方の違いから摩擦が生じ、それがいじめに発展するケースもあります。
女性が多い職場
介護職は女性比率が高い業界です。もちろん性別がいじめの原因になるわけではありませんが、少人数のグループ内で人間関係が複雑化しやすい傾向があることは否定できません。
介護職のいじめの具体例
介護現場で実際に起きているいじめの具体例を見ていきましょう。自分の状況がいじめに該当するかどうかの判断材料にしてください。
無視・仲間外れ
特定のスタッフだけ挨拶を無視する、連絡事項を伝えない、休憩時間に一人だけ話に入れないといった行為です。地味に見えますが、精神的なダメージは非常に大きいです。
きつい口調での叱責
「こんなこともできないの?」「何回言ったらわかるの?」と人格を否定するような叱り方をされるケースです。指導の範囲を超えた過度な叱責はパワーハラスメントに該当します。
業務の押し付け・妨害
面倒な業務ばかり押し付けられたり、逆に仕事を与えてもらえなかったりするケースです。「トイレ介助は全部あの人にやらせよう」「あの人には利用者を担当させない」といった陰湿なやり方もあります。
陰口・悪口
本人のいないところで悪口を言う、SNSで施設のグループチャットから特定の人を外すといった行為です。本人の耳に入ったときの精神的な打撃は計り知れません。
プライベートへの過度な干渉
恋愛事情や家庭の問題を根掘り葉掘り聞いたり、プライベートの情報を他のスタッフに流したりする行為もいじめに含まれます。
「これっていじめ?」と迷ったら、「この行為を受けて心身に苦痛を感じているかどうか」を基準に考えてみてください。苦痛を感じているなら、それは対処すべき問題です。
迷っている段階でも、気になった出来事をその場で書き留めておくと、あとで状況を整理しやすくなります。制服のポケットに入る小さなメモ帳を1冊持っておくと便利です。
介護職のいじめへの対処法
いじめに遭ったときにとるべき具体的な対処法を紹介します。
1. 証拠を記録する
いじめの事実を証明するために、日時・場所・内容・相手の名前を詳細に記録しておくことが重要です。メモ帳やスマートフォンのメモアプリに記録しましょう。メールやLINEでのやりとりはスクリーンショットを保存しておきます。
記録があると相談時に状況を正確に伝えられますし、法的対応が必要になった場合にも証拠として活用できます。
2. 信頼できる同僚に相談する
職場の中に信頼できる同僚がいれば、まずはその人に相談してみましょう。一人で抱え込むよりも精神的に楽になりますし、「実は私も同じことをされていた」と打ち明けてくれる場合もあります。
3. 上司や管理者に報告する
いじめの事実を直属の上司や施設長、管理者に報告しましょう。管理者にはスタッフ間のトラブルに対応する責任があります。具体的な証拠(日時・内容のメモ)を持って報告すると、対応してもらいやすくなります。

4. 施設内の相談窓口を利用する
職場のハラスメント防止に関する取り組みの一環として、社内相談窓口を設置している施設があります。相談窓口の存在や連絡先を確認し、利用しましょう。
5. 加害者との距離を置く
可能であれば、いじめをしてくる相手と物理的に距離を置く工夫をしましょう。シフトが被らないよう調整を依頼したり、担当フロアの変更を相談したりすることで状況が改善するケースもあります。
6. 外部の相談窓口に相談する
施設内で解決できない場合や、上司自身がいじめの加害者である場合は、外部の相談窓口を利用しましょう。相談先は次のセクションで詳しく紹介します。
7. 転職を視野に入れる
いじめが改善されない場合は、転職という選択も立派な対処法です。自分の心と体を壊してまで今の職場にしがみつく必要はありません。介護業界は人手不足のため、職場を変えれば環境が一気に改善する可能性があります。
転職を考え始めたら、履歴書だけでも先に用意しておくと、いざというときに慌てずに動けます。
介護職のいじめで頼れる相談先一覧
一人で悩まず、外部の力を借りましょう。介護職がいじめやハラスメントを受けたときに相談できる窓口を紹介します。
総合労働相談コーナー(労働局)
総合労働相談コーナーは各都道府県の労働局や全国の労働基準監督署内に設置されている無料の相談窓口です。専門の相談員がいじめやパワハラについてアドバイスしてくれます。全国に379ヶ所以上設置されているため、最寄りの窓口を利用できます。
みんなの人権110番(法務省)
法務省が運営する人権相談の電話窓口で、電話番号は0570-003-110です。職場でのいじめやハラスメントについて相談でき、必要に応じて法務局の人権擁護課が調査や助言を行います。
こころの健康相談統一ダイヤル
いじめによって精神的に追い詰められている場合は、0570-064-556に電話すると、各地域のメンタルヘルスの相談機関につないでもらえます。
労働条件相談ほっとライン
厚生労働省の委託事業で、労働条件に関するトラブルや退職に関する相談ができます。夜間や土日も対応していることが多く、日中は仕事で電話できないという方にも便利です。
弁護士・法テラス
いじめが深刻な場合やパワハラで被害を受けた場合は、弁護士に相談することも選択肢です。法テラス(日本司法支援センター)では、収入要件を満たせば無料で弁護士に相談できる制度があります。

パワハラ防止法と介護施設の義務
パワーハラスメント防止措置は、すべての事業者に法律で義務化されています。介護施設も当然その対象です。
施設に求められる防止措置
事業者は以下の措置を講じることが求められています。
- ハラスメント防止の方針の明確化と周知
- 相談窓口の設置
- ハラスメントが発生した場合の迅速な対応
- 相談者のプライバシー保護と不利益取り扱いの禁止
施設がこれらの措置を怠っている場合、労働局から指導や勧告を受ける可能性があります。
利用者・ご家族からのハラスメント
介護職のハラスメントには、スタッフ間だけでなく利用者やご家族からのハラスメント(カスタマーハラスメント)もあります。厚生労働省の調査では、介護職員の多くが利用者からの暴言や暴力を経験しているという結果が出ています。利用者からのハラスメントについても、施設には対策を講じる責任があります。
「利用者さんだから仕方ない」と我慢する必要はありません。利用者からの暴言・暴力も施設として対策を取るべき問題です。管理者に報告して、組織として対応してもらいましょう。
Q&A:介護職のいじめに関するよくある質問
Q. いじめの証拠がない場合でも相談できる?
はい、証拠がなくても相談は可能です。総合労働相談コーナーなどの窓口では、まず話を聞いてもらえます。ただし、今後のためにもできる範囲で記録を残しておくことをおすすめします。
Q. 相談したことが施設側にバレない?
外部の相談窓口は相談者のプライバシーを保護する義務があります。相談した事実が施設に漏れることは基本的にありません。ただし、調査や是正が必要な場合は施設への指導が行われることがあります。
Q. いじめが原因でうつ病になった場合、労災は認められる?
職場のいじめやパワハラが原因で精神疾患を発症した場合、労災として認定されるケースがあります。心療内科の診断書といじめの証拠記録を揃えて、労働基準監督署に相談してみてください。
言葉によるハラスメントは形に残りにくいため、会話を録音できるICレコーダーを記録手段のひとつとして使う人もいます。
Q. 転職したら同じようにいじめられない?
いじめはどの職場でも起こりうるリスクがありますが、施設の雰囲気や管理体制によって大きく変わります。転職先を選ぶ際は施設見学を行い、スタッフ同士のコミュニケーションの様子をチェックすることが有効です。

まとめ:いじめに耐えず、正しい対処法で自分を守ろう
介護職のいじめは、閉鎖的な環境と人手不足のストレスが重なって起きやすい問題です。しかし、いじめは決して我慢すべきものではなく、適切に対処すべきものです。
対処法のポイントをおさらいしておきましょう。
- いじめの証拠(日時・内容・相手)を記録に残す
- 信頼できる同僚や上司に相談する
- 外部の相談窓口(労働局・法務局・法テラスなど)を活用する
- 施設にはパワハラ防止措置の義務があることを知っておく
- 改善が見込めない場合は、転職も立派な選択肢
あなたの心と体は何よりも大切です。一人で抱え込まず、今日からできる対処法を一つずつ試してみてください。
相談窓口のまとめは厚生労働省の総合労働相談コーナー案内ページで確認できます。


