「今の仕事、なんか違うかも」「人の役に立つ仕事がしたい」――20代でそう感じて、介護業界への転職を考える人が増えています。
でも同時に「介護って大変そう」「未経験で大丈夫?」という不安もありますよね。結論から言うと、20代の未経験者は介護業界でもっとも歓迎される存在です。若さ・体力・吸収力のすべてが武器になります。
この記事では、20代で介護職に転職するメリットや、失敗しない職場選びのコツ、キャリアアップの道筋までしっかり解説していきます。
20代が介護業界で歓迎される理由
介護業界は慢性的な人材不足に直面しています。厚生労働省のデータによると、介護サービス職の有効求人倍率は3.5〜4.0倍と、全職種平均の約1.15倍を大幅に上回っている状況です。
そのなかでも20代の若手人材は特に貴重な存在。介護職員の年齢層は40代以上が全体の約75%を占めており、若い世代の参入が切実に求められています。

20代で介護に転職する5つのメリット
メリット1:早い段階で専門資格を取得できる
20代で介護業界に入れば、介護職員初任者研修→実務者研修→介護福祉士というキャリアステップを余裕をもって進められます。介護福祉士の受験には3年以上の実務経験が必要ですが、20代前半でスタートすれば20代のうちに国家資格を取得することも十分可能です。
さらにその先にはケアマネジャー(介護支援専門員)の道も開けます。資格を積み重ねるごとに給与アップにもつながるため、早くスタートするメリットは非常に大きいと言えるでしょう。
メリット2:体力面でのアドバンテージ
介護の仕事には、利用者の移乗介助や入浴介助など、体力を使う場面が少なくありません。20代の体力は現場で大きな強みになります。特に特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)といった入所系施設では、身体介護の機会が多いため、若手の活躍の場が広がります。
メリット3:先入観がなく柔軟に学べる
他業界の経験が浅い分、介護の現場に自然に溶け込みやすいのも20代の強みです。「前の職場ではこうだった」という固定観念がないため、新しい知識や技術をスポンジのように吸収できます。教える側としても指導しやすく、職場に馴染むスピードが速い傾向があります。
メリット4:将来の選択肢が広がる
介護の経験は、自分の家族の介護にも直接役立ちます。また、介護業界は施設系・訪問系・相談系など職種が幅広く、キャリアの方向性をじっくり探れるのも魅力です。管理職やサービス提供責任者(サ責)、生活相談員など、マネジメント方面に進む道もあります。
メリット5:求人が豊富で転職しやすい
介護業界の求人数は全国的に多く、無資格・未経験OKの求人も豊富です。地域を問わず働き口が見つかるため、「地元に戻りたい」「引っ越し先で働きたい」といった希望にも柔軟に対応できます。

20代未経験者の気になる給与事情
「介護って給料が安いのでは?」という不安は、転職を考える20代がもっとも気にするポイントでしょう。
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」によると、常勤介護職員の平均月給は約33.8万円(各種手当含む)。年収に換算すると約406万円です。
20代の場合は経験が浅いため、入職時の月給は20〜24万円程度からのスタートが一般的ですが、夜勤手当や処遇改善加算などの手当が加わることで手取りは増えます。また、介護業界では近年処遇改善が急速に進んでおり、月額最大1.9万円の賃上げ補助金の支給や、介護報酬の臨時改定なども実施されています。
20代の給与アップのステップ
- 入職時:月給20〜24万円(無資格・未経験)
- 初任者研修取得後:月給+5,000〜1万円程度
- 実務者研修取得後:さらに手当がつく施設が多い
- 介護福祉士取得後:月給+1〜3万円が相場
- 夜勤手当:1回あたり5,000〜8,000円が一般的
20代が介護転職で失敗しないための職場選び
施設の種類ごとの特徴を知っておく
介護施設にはさまざまな種類があり、それぞれ仕事内容や求められるスキルが異なります。
- 特別養護老人ホーム(特養):要介護度が高い利用者が多く、身体介護の技術をしっかり身につけたい人に向いています
- 介護老人保健施設(老健):リハビリが中心で、医療スタッフとの連携が学べます
- デイサービス:日勤のみで夜勤がなく、比較的身体的な負担が少ないのが特徴です
- 訪問介護:利用者の自宅を訪問してサービスを提供します。一人で判断する場面が多いため、ある程度の経験を積んでからチャレンジするのがおすすめです
- グループホーム:少人数制で利用者とじっくり関われるため、コミュニケーションを大切にしたい人に向いています
教育体制が整っている職場を選ぶ
未経験で入職するなら、研修制度やプリセプター制度(先輩が一対一で指導する仕組み)が整っている職場を優先的に探しましょう。入職後に放置される環境では、不安ばかりが募って早期離職につながりかねません。
資格取得支援制度の有無を確認する
多くの介護事業所では、資格取得のための費用を負担してくれる「資格取得支援制度」を設けています。初任者研修の受講費用(5〜15万円程度)を全額負担してくれる施設もあるため、求人情報のチェック時に必ず確認しましょう。

20代の介護転職を成功させる3つのコツ
コツ1:志望動機は具体的に伝える
「人の役に立ちたい」だけでは、面接官の心には響きません。たとえば「祖父の介護をきっかけに、専門的なケアの技術を身につけたいと思いました」のように、自分のエピソードと結びつけた志望動機を準備しましょう。
コツ2:「長く働きたい」という姿勢を見せる
採用側がもっとも気にするのは「すぐ辞めないか」というポイントです。「介護福祉士の資格取得を目指しています」「将来はケアマネジャーにも挑戦したいです」など、長期的なキャリアビジョンを伝えると好印象を持ってもらえます。
コツ3:介護職専門の転職エージェントを活用する
介護業界に特化した転職エージェントを利用すれば、一般の求人サイトには掲載されない非公開求人にアクセスできるほか、面接対策や条件交渉のサポートも受けられます。
介護専門の転職エージェントでは、業界に詳しいキャリアアドバイザーが担当につき、施設の内部事情や離職率などの情報も教えてもらえることがあります。複数のエージェントに登録して比較するのも賢い方法です。
20代から始めるキャリアアップの道筋
20代で介護業界に入った場合の一般的なキャリアパスを紹介します。
20代スタートのキャリアモデル
- 1年目:現場で基礎を学びながら初任者研修を取得
- 2〜3年目:実務者研修を修了し、より高度な介護技術を習得
- 4年目〜:介護福祉士の国家試験に挑戦(実務経験3年+実務者研修で受験資格を取得)
- 5年目以降:リーダー職やサービス提供責任者へ。ケアマネジャーを目指す道も
介護福祉士を取得すると、施設によっては月額1〜3万円の資格手当がつくのが一般的です。さらにケアマネジャーになれば、デスクワーク中心の働き方に移行でき、身体的な負担を減らしながら年収アップを実現できます。

20代で介護転職を考えるときの注意点
体力だけに頼らない
若さと体力は武器ですが、力任せの介護は腰痛やケガのリスクを高めます。ボディメカニクス(身体の仕組みを活かした介助技術)を早い段階で身につけることで、長く健康に働き続けることができます。
夜勤のある生活リズムに慣れる
入所系施設で働く場合、夜勤は避けて通れません。夜勤手当は収入面で魅力的ですが、生活リズムの乱れが体調に影響することもあります。自分に合ったペースで夜勤に入れるよう、職場と相談しながら進めていきましょう。
「未経験OK」と書かれていても、入職後のサポート体制は施設によってさまざまです。面接時に「入職後の研修はどのような内容ですか?」と必ず質問して、具体的な教育体制を確認しましょう。
よくある質問(Q&A)
Q. 介護の仕事に向いているのはどんな人?
人と接することが好きな人、相手の気持ちを考えて行動できる人は介護の仕事に向いています。特別なスキルよりも、思いやりやコミュニケーション能力が重視される仕事です。
Q. 介護職員初任者研修はどのくらいで取れる?
通学の場合は約1〜4か月が目安です。通信+通学のコースもあり、働きながら取得することも可能です。費用は5〜15万円程度ですが、資格取得支援制度のある職場なら自己負担なしで取得できることもあります。
Q. 介護職の離職率は高い?
介護労働安定センターの調査によると、介護職全体の離職率は近年低下傾向にあり、全産業平均と大きな差はなくなってきています。職場環境の改善が進んでいる施設が増えている証拠です。
Q. 前職の経験は活かせる?
接客業の経験はコミュニケーションに、事務職の経験は記録業務に、飲食業の経験は食事介助にと、どの業界の経験も介護の現場で活かせます。面接ではこうした「転用できるスキル」をアピールすると効果的です。
まとめ
20代での介護転職は、キャリアを早くから築ける大きなチャンスです。未経験であっても、介護業界は若い人材を歓迎する体制が整っています。
資格取得支援制度のある職場を選び、段階的にスキルアップしていけば、30代で介護福祉士やケアマネジャーとして活躍する将来も見えてきます。まずは介護専門の転職エージェントや、気になる施設の見学から一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。


