「介護のパートで働きたいけど、扶養内で収まるかな?」「年収の壁が変わったって聞いたけど、結局いくらまで稼いでいいの?」と気になっている方は多いのではないでしょうか。
介護業界は未経験・無資格でもスタートしやすく、パート求人も豊富なので、扶養内で働きたい方にとって実はかなり相性のいい業界です。ただし、扶養内で損をしない働き方をするには「年収の壁」の正しい理解がカギになります。

この記事では、介護の扶養内パートの条件や年収の壁の最新情報、扶養内で働きやすいおすすめの施設形態、実際に扶養内で介護パートをしている方のリアルな働き方まで幅広く解説していきます。
扶養内パートとは?介護職で扶養内を選ぶメリット
扶養内パートとは、配偶者や親などの扶養に入ったまま働くスタイルのことです。扶養の範囲内で収入を抑えることで、所得税や社会保険料の負担を軽くできるメリットがあります。
介護職で扶養内パートを選ぶメリットはいくつかあります。
- 社会保険料の自己負担がなく、手取りが減りにくい
- 家事や育児、家族の介護と両立しやすい
- 介護業界はシフト制なので勤務時間の融通が利きやすい
- 配偶者控除・配偶者特別控除を受けられる場合がある
特に介護のパートはシフトの自由度が高い施設が多いため、「午前中だけ」「週3日だけ」といった働き方がしやすいです。扶養内の条件を満たしやすい環境が整っているといえます。
介護の扶養内パートで押さえるべき「年収の壁」一覧
扶養内で働くうえで避けて通れないのが「年収の壁」です。記事執筆時点の最新ルールをまとめます。
税制上の壁(所得税・住民税)
税制改正により、所得税の非課税ラインが引き上げられています。
- 住民税の壁:年収約100万円……住民税が発生し始めるライン(自治体によって異なる)
- 所得税の壁:年収178万円(旧103万円→123万円→178万円)……2026年度税制改正により基礎控除と給与所得控除の特例措置で引き上げ。年収665万円以下の方が対象で、パート収入がこの金額以下なら所得税はかからない(特例措置は2年間の時限措置)
- 配偶者特別控除の上限:年収約201万円……これを超えると配偶者特別控除がゼロになる

社会保険の壁
社会保険の壁は、税金よりも手取りへの影響が大きいため特に注意が必要です。
- 社会保険加入の壁(旧106万円の壁)……従来は月額8.8万円(年収約106万円)以上の賃金要件がありましたが、2026年10月からの制度改正で賃金要件が撤廃され、従業員51人以上の企業で週20時間以上の契約であれば金額に関わらず社会保険加入が必要に変わります。従業員数の要件は段階的に引き下げられ、2035年10月にはすべての事業者に拡大予定です
- 扶養から外れる壁:年収130万円……配偶者の健康保険の扶養から外れるラインです。ただし、制度改正により、残業代などで一時的に130万円を超えても雇用契約上の年収が130万円未満であれば扶養に留まれるケースがあります
社会保険の加入要件は制度改正が進行中のため、最新の条件は勤務先の担当者や日本年金機構の公式サイトで確認してください。
扶養内で介護パートを続けるための具体的な条件
扶養内パートを続けるために押さえておくべき具体的な条件を解説します。
勤務時間の目安
扶養内で働くなら、週20時間未満を意識するのが基本です。週20時間以上の雇用契約になると社会保険への加入義務が発生する可能性があります。
たとえば「1日4時間×週4日=週16時間」や「1日5時間×週3日=週15時間」といった組み方が現実的です。
年収の目安
介護パートの時給は地域によって差がありますが、平均的な時給は約1,050円前後です。特養や老健などの入所施設では時給1,110円以上、訪問介護では時給1,290円程度の求人もあります。
たとえば時給1,100円で週15時間働いた場合、月収は約7万1,500円、年収は約85万8,000円となり、年収130万円の壁を十分に下回る計算です。
勤務先への確認事項
採用面接や入職時に以下の点を確認しておきましょう。
- 雇用契約上の週所定労働時間は何時間か
- 繁忙期にシフトが増えた場合、年収上限を超えないよう調整できるか
- 社会保険への加入基準はどうなっているか
扶養内パートにおすすめの介護施設・職種
扶養内で無理なく介護の仕事を続けるには、施設形態や職種選びも重要です。ここでは特に扶養内パートに向いている職場を紹介します。
デイサービス(通所介護)
デイサービスは日勤帯のみの勤務が基本で、夜勤がありません。朝の送迎から夕方の送迎まで、決まった時間帯での業務になるため、時間管理がしやすく扶養内パートにぴったりです。レクリエーションの企画補助や入浴介助、食事介助などが中心です。
訪問介護(ホームヘルパー)
訪問介護は1件あたりの訪問時間が決まっているため、自分の都合に合わせて仕事量を調整しやすいのが特徴です。「午前中だけ2件」「週3日だけ」といった働き方もしやすく、扶養内の範囲をコントロールしやすいです。ただし、介護職員初任者研修以上の資格が必要になります。
グループホーム
グループホームは少人数制(1ユニット9名まで)のため、利用者一人ひとりとじっくり関わる介護ができます。日勤パートの募集も多く、短時間勤務の求人が見つかりやすいです。
介護事務
介護事務は体力的な負担が少なく、デスクワーク中心で働けるのが魅力です。介護報酬請求(レセプト)業務や電話対応、来客対応などが主な仕事で、身体介護に不安がある方にもおすすめです。

扶養内パートの求人を探すときのコツ
介護の扶養内パート求人を効率よく探すためのコツを紹介します。
介護専門の求人サイトを活用する
一般的な求人サイトよりも、介護専門の求人サイトや転職エージェントを使うほうが条件に合う求人を見つけやすいです。「扶養内OK」「週3日以下」「4時間以内」などの条件で絞り込み検索できるサービスが多く、効率的に探せます。
たとえば介護求人ナビやレバウェル介護では、勤務日数や時間帯の条件で絞り込むことができます。
「扶養内OK」と明記された求人を選ぶ
求人票に「扶養内OK」「扶養範囲内可」などと明記されている求人は、勤務先も扶養内での働き方に理解があるという証拠です。シフト調整の相談もしやすくなります。
面接で年収上限を正直に伝える
面接の段階で「扶養内で働きたい」「年収○○万円以内に収めたい」と正直に伝えておくのがおすすめです。入職後に「思ったよりシフトが多くて扶養を超えてしまった」というトラブルを防げます。
扶養内パートで介護の仕事をする際の注意点
扶養内パートにはメリットが多い一方で、注意すべき点もいくつかあります。
繁忙期のシフト増加に気をつける
介護施設は人手不足のところが多く、繁忙期や人員が減ったタイミングで「もう少しシフトに入ってもらえませんか」とお願いされることがあります。断りにくくてつい引き受けてしまうと、年末に年収の壁を超えてしまう可能性があるため、毎月の収入を管理しておくことが大切です。
交通費の扱いに注意
税制上は月15万円まで交通費は非課税ですが、社会保険上の収入判定では交通費も年収に含まれるケースがあります。バスや電車の定期代がかかる場合は、年収計算に含めて考えておきましょう。
将来の年金額への影響
扶養内にとどまると、自分名義の厚生年金には加入しないため、将来受け取れる年金額は国民年金の基礎年金のみとなります。老後の年金を増やしたい場合は、あえて扶養を外れて厚生年金に加入するという選択肢も視野に入れておくとよいでしょう。
年収管理は月単位でこまめにチェックするのがおすすめです。12月になって「うっかり超えていた」と気づいても調整が難しくなります。
Q&A:介護の扶養内パートでよくある質問
Q. 無資格・未経験でも介護の扶養内パートは始められる?
はい、始められます。デイサービスや有料老人ホームなどでは無資格・未経験OKのパート求人が多数あります。訪問介護のみ、介護職員初任者研修以上の資格が必要です。資格取得費用を施設側が負担してくれるケースもあるため、求人情報をチェックしてみてください。
Q. 扶養内パートでも介護職員初任者研修を取ったほうがいい?
取得しておくと時給アップにつながることが多いです。初任者研修を持っていると時給が50〜100円程度上がる施設もあり、同じ勤務時間でも効率よく稼げるようになります。ハローワークの職業訓練を利用すれば、受講料無料で取得できる場合もあります。
Q. 夫の会社から「扶養の条件が変わった」と言われたのですが?
社会保険の扶養認定ルールは制度改正が続いているため、配偶者の勤務先の健康保険組合によって独自のルールが設けられていることがあります。まずは配偶者の会社の人事・総務部門に最新の条件を確認するのが確実です。
Q. 扶養を外れてしまったらどうなる?
扶養を外れると、自分で健康保険料と厚生年金保険料を負担することになります。目安として年間20万円前後の負担増になるケースがあるため、中途半端に壁を超えると手取りが減ってしまう「働き損ゾーン」に入る可能性があります。超えるなら年収160万円以上を目指す方が得策とされています。

まとめ:介護の扶養内パートは正しい知識で賢く働こう
介護の扶養内パートは、シフトの融通が利きやすい介護業界だからこそ実現しやすい働き方です。年収の壁のルールは制度改正が続いているため、最新の情報をこまめにチェックしておくことが大切です。
ポイントをおさらいすると、以下のとおりです。
- 所得税の非課税ラインは178万円に引き上げ済み(2026年分・2年間の時限措置)
- 社会保険の加入要件は週20時間以上の契約がカギ
- 130万円の壁は一時的な超過に関して緩和措置あり
- デイサービスや訪問介護は扶養内パートに特に向いている
- 月単位で年収管理を行い、年末に慌てないようにする
介護の仕事は人の役に立つやりがいがあり、社会的なニーズも高い仕事です。扶養内パートという無理のない働き方で、介護の世界に一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
厚生労働省の介護人材確保に関する取り組みページでは、介護職の処遇改善に関する最新情報が確認できます。また、日本年金機構の公式サイトでは社会保険の加入条件の詳細を確認できます。


