介護福祉士の国家試験を目指しているけど、「過去問ってどう使えばいいの?」「おすすめの過去問集はどれ?」と悩んでいる人は多いのではないだろうか。
介護福祉士国家試験は、過去問を正しく活用するかどうかで合否が大きく変わると言われている。実際に合格者の多くが「過去問の繰り返しが合格の決め手だった」と語っているほどだ。
この記事では、介護福祉士試験の過去問の効果的な使い方から、おすすめの過去問集・アプリ、そして科目別の攻略ポイントまで、合格に必要な情報をまとめて紹介する。

介護福祉士国家試験の概要と最新の合格率
まずは介護福祉士国家試験の基本情報を確認しておこう。
介護福祉士国家試験は毎年1月下旬に筆記試験、3月上旬に実技試験(実務経験ルートは免除)が実施される。試験は全国35都道府県の会場で行われ、マークシート方式の筆記試験は全125問で構成されている。
直近の試験結果を見ると、合格率は以下のように推移している。
- 第36回(2024年実施):合格率 82.8%
- 第37回(2025年実施):合格率 78.3%(合格基準点70点)
- 第38回(2026年実施):合格率 70.1%(合格基準点64点・受験者数78,469人・合格者数54,987人)
第38回からは「パート合格制度」が導入され、複数の科目をまとめたパートごとに合否が判定される仕組みに変わった。一度に全科目合格できなくても、パートごとに合格を積み重ねられるようになったのは大きな変化だ。
合格率は年々変動しているが、しっかり対策すれば十分に合格を狙える試験であることには変わりない。過去問対策をしっかり行えば、合格への道は開ける。

過去問が合格への最短ルートである理由
介護福祉士の試験対策において、なぜ過去問がこれほど重視されるのだろうか。その理由は大きく3つある。
出題傾向がつかめる
介護福祉士試験では、毎年似たテーマ・似た切り口の問題が繰り返し出題される傾向がある。たとえば「介護過程」「認知症の理解」「こころとからだのしくみ」といった頻出テーマは、年度が変わっても問い方を変えて何度も登場する。過去問を解くことで、こうした出題パターンを体感的に理解できる。
自分の弱点が明確になる
テキストを読むだけでは、自分がどの分野を理解していてどの分野が弱いのかが分かりにくい。過去問を解くことで、正答率が低い科目や苦手な領域がはっきり可視化される。弱点が分かれば、そこを重点的に学習することで効率よくスコアアップが狙える。
本番の時間配分に慣れる
筆記試験は125問を所定の時間内に解かなければならない。過去問を時間を計って解く練習をすることで、ペース配分の感覚が身につく。本番で「時間が足りなくて最後まで解けなかった」という事態を防げるのは大きなメリットだ。
過去問は「解いて終わり」ではなく、間違えた問題の解説をしっかり読み込むことが重要。正解の選択肢だけでなく、不正解の選択肢がなぜ間違いなのかまで理解することで、応用力が身につく。
おすすめの過去問集・問題集を紹介
介護福祉士試験の過去問集はさまざまな出版社から発売されている。ここでは定番のおすすめ教材を紹介する。
中央法規出版「介護福祉士国家試験 過去問解説集」
介護福祉士試験対策の定番中の定番がこの過去問解説集だ。直近3年分の過去問を全問収録し、1問ずつ丁寧な解説が付いている。選択肢ごとに「なぜ正解か」「なぜ不正解か」が分かるので、理解を深めながら学習を進められる。中央法規は介護福祉士のテキスト・問題集のシェアが高く、信頼性の面でも安心だ。
翔泳社「福祉教科書 介護福祉士 完全合格過去&模擬問題集」
過去問と模擬問題が1冊にまとまった構成で、実力を試しながら知識を補強できる。解説が簡潔で要点がまとまっているため、忙しい社会人にも使いやすい。テキストとセットで使うことで学習効果が上がる。
ユーキャン「介護福祉士 過去問完全解説」
通信講座大手のユーキャンが手がける過去問集。分かりやすい図解や補足説明が豊富で、初めて試験に挑戦する人にも取り組みやすい内容となっている。
無料で使える過去問アプリ・サイト
書籍だけでなく、無料で過去問に取り組めるツールも充実している。
- ケアスタディ:2015年〜2025年の過去問を無料で解き放題。分野別・間違えた問題だけの出題機能もある
- 教えてグッピー 過去問アプリ:過去5年分の過去問・解説つきで無料公開。スキマ時間の学習に最適
- 介護福祉士 一問一答 Web版:各出版社が公開している一問一答形式のWeb問題集
書籍でじっくり取り組む時間と、アプリやWebで手軽に解く時間をうまく組み合わせることで、隙間時間も有効活用しながら学習が進められる。

科目別の過去問攻略ポイント
介護福祉士試験は全13科目(科目群)から出題される。科目ごとの特徴と過去問の取り組み方を押さえておこう。
人間の尊厳と自立 / 人間関係とコミュニケーション
出題数は少ないが、基本的な考え方を問う問題が多い。過去問で出題パターンを押さえておけば、確実に得点できる科目だ。
社会の理解
介護保険制度や障害者福祉制度など、制度に関する出題が中心。法改正や制度変更があるため、最新の法改正情報を確認しながら過去問に取り組むことが重要。
こころとからだのしくみ
人体の構造や機能に関する出題が多く、暗記事項が多い科目。過去問を繰り返し解いて頻出テーマを把握し、苦手な部分はテキストに戻って復習するサイクルが効果的だ。
介護過程
事例問題が出題される科目で、実践的な判断力が問われる。過去問の事例問題を通じて、アセスメント→計画→実施→評価の流れを理解しておこう。
認知症の理解
認知症の種類や特徴、ケアの方法について問われる。過去問で頻出のキーワード(アルツハイマー型・レビー小体型・前頭側頭型など)を整理しておくと効率的だ。
生活支援技術
出題数が多い重要科目。移乗・入浴・食事・排泄の介助方法など、実技に直結する知識が問われる。過去問で問われた具体的な介助場面を、実際の業務と結びつけて理解すると記憶に残りやすい。
科目ごとに0点の科目があると、総合点が合格基準を超えていても不合格になる。苦手科目を作らないことが重要だ。過去問を解いて正答率が低い科目は、重点的に対策しよう。
合格するための過去問活用スケジュール
試験までの学習スケジュールとして、過去問をどう組み込めばよいかを時期別に解説する。
試験6ヶ月前〜4ヶ月前:基礎固め期
まずはテキストで全科目の基礎知識をひと通り学習する。この段階では過去問は「お試し」程度に1年分解いてみて、全体の出題レベルを把握するだけでOKだ。
試験4ヶ月前〜2ヶ月前:過去問演習期
過去3〜5年分の問題を最低2周は解こう。1周目は解いた後に解説を熟読し、間違えた問題にチェックを入れる。2周目はチェックを入れた問題を中心に解き直す。この時期が最も実力が伸びる期間だ。
試験2ヶ月前〜直前:仕上げ期
間違えやすい問題の最終確認と、模擬試験形式での通し練習を行う。本番と同じ時間配分で解く練習を最低2回は行い、ペース配分を体に染み込ませよう。

過去問だけで合格できる?テキストとの併用がベスト
「過去問だけやれば合格できるのでは?」という疑問を持つ人も少なくない。結論から言うと、過去問だけでも合格ラインに届く可能性はあるが、テキストとの併用がベストだ。
過去問だけだと、出題されなかった範囲の知識が抜けてしまうリスクがある。特に法改正や制度変更で新しく追加された内容は、過去問には反映されていない。テキストで全体像を把握した上で過去問に取り組むことで、知識の穴を最小限にできる。
ただし、テキストだけ読み込んで過去問を解かないというのは効率が悪い。テキスト7割・過去問3割くらいのバランスで始めて、試験が近づくにつれて過去問の比率を上げていくのがおすすめだ。
よくある質問(Q&A)
Q. 過去問は何年分解けばいいですか?
A. 最低でも過去3年分、できれば5年分を解くことをおすすめする。3年分であれば出題傾向の大枠がつかめるが、5年分解けばより確実にパターンを把握できる。
Q. 過去問の正答率が何割あれば合格できますか?
A. 過去問で安定して正答率80%以上取れていれば、本番でも合格ラインを超える可能性が高い。逆に60%を下回る科目がある場合は、その科目を重点的に補強する必要がある。
Q. 過去問アプリだけで対策しても大丈夫ですか?
A. アプリは隙間時間の学習には効果的だが、それだけでは不十分。書籍の過去問集は解説が詳しく、体系的に理解するのに向いている。アプリは補助ツールとして活用し、メインは書籍で学習するのがおすすめだ。
Q. パート合格制度がある今、全科目一気に勉強しなくてもいいですか?
A. パート合格制度では科目群ごとに合否が判定されるが、一度に全パートの合格を目指す方が効率的だ。科目間のつながりを意識して学習することで理解が深まるため、特段の理由がなければ全科目を通して学習しよう。

まとめ
介護福祉士試験の過去問対策について紹介してきた。ポイントをまとめると以下のとおりだ。
- 過去問は出題傾向の把握・弱点発見・時間配分の練習に最適な教材
- おすすめ過去問集は中央法規や翔泳社の定番シリーズ。無料アプリとの併用でスキマ時間も活用できる
- 科目ごとの正答率を把握し、苦手分野を重点的に対策することが重要
- テキストとの併用で知識の穴を埋め、合格率を上げよう
- パート合格制度の導入で、受験のハードルは以前より下がっている
介護福祉士の資格を取得すれば、資格手当による収入アップやキャリアの選択肢が広がるなど、大きなメリットがある。過去問をしっかり活用して、合格をつかみ取ろう。
介護福祉士国家試験の詳しい情報は、社会福祉振興・試験センター公式サイトで確認できる。過去問の入手方法や試験日程については厚生労働省の介護福祉士に関するページも参考になる。また、受験対策の講座情報はけあサポ(中央法規)でも確認できるので、活用してほしい。


