介護職の転職活動では、履歴書に加えて職務経歴書の提出を求められるケースが増えています。職務経歴書は、これまでの業務内容や実績を具体的にアピールできる書類であり、採用の可否を大きく左右します。
この記事では、介護転職の職務経歴書の書き方を、基本構成から例文まで丁寧に解説します。初めて作成する方でも迷わず書けるよう、項目ごとのポイントをまとめましたので、ぜひ活用してください。

職務経歴書と履歴書の違い
履歴書が「プロフィール」であるのに対し、職務経歴書は「仕事の実績書」という位置づけです。履歴書では書ききれない具体的な業務内容やスキル、成果を詳しく記載するのが職務経歴書の役割です。
- 履歴書:氏名・学歴・職歴・資格などの基本情報を記載。フォーマットが決まっている
- 職務経歴書:業務内容・スキル・実績を自由な形式で記載。自己PRの場
介護職の場合、どの施設でどんな業務を担当していたかが採用側の最大の関心事です。施設の規模感(定員数や職員数)や担当した利用者の人数なども記載すると、経験値が具体的に伝わります。
職務経歴書の基本構成
介護職の職務経歴書は、以下の項目で構成するのが一般的です。A4用紙1~2枚程度にまとめましょう。
1. 職務要約
冒頭に3~4行で、これまでのキャリアの概要を簡潔にまとめます。どのような施設で何年間の経験があるか、主にどんな業務を担当してきたかを要約します。
例文:「介護業界で通算5年間の経験があります。特別養護老人ホームで3年間、デイサービスで2年間勤務し、身体介護・生活援助・レクリエーション企画運営を中心に担当してまいりました。介護福祉士の資格を活かし、利用者様の個別ケアの充実に努めてきました。」
2. 職務経歴
勤務先ごとに時系列で記載します。以下の情報を漏れなく盛り込みましょう。
- 在籍期間(○年○月~○年○月)
- 法人名と施設名(正式名称)
- 施設の種別と規模(定員数、ユニット数など)
- 雇用形態(正社員、パート、派遣など)
- 担当業務の詳細
- 役職・リーダー経験(ある場合)
3. 保有資格
取得年月とともに正式名称で記載します。履歴書にも記載しますが、職務経歴書にも改めて記載するのが一般的です。
4. 自己PR
最後に、自分の強みと応募先でどう活かせるかをまとめます。具体的なエピソードや成果を盛り込むと説得力が増します。

職務経歴の具体的な書き方と例文
介護施設の種類によって業務内容が異なるため、経験した施設に合わせた書き方が重要です。以下に施設別の記載例を紹介します。
特別養護老人ホームの場合
例文:
「社会福祉法人○○会 特別養護老人ホーム○○園
在籍期間:2022年4月~2025年3月(3年間)
施設規模:入所定員80名(ユニット型・10ユニット)
雇用形態:正社員
【業務内容】
1ユニット10名の利用者様を担当し、食事介助・入浴介助・排泄介助・移乗介助などの身体介護業務全般に従事。介護記録の作成、ケアプランに基づく個別ケアの実施、夜勤業務(月4~5回)を担当。2024年4月よりユニットリーダーとして、新人職員の指導育成やシフト管理も担当。」
デイサービスの場合
例文:
「株式会社○○ 通所介護事業所○○
在籍期間:2020年10月~2022年3月(1年6か月)
施設規模:1日定員30名
雇用形態:正社員
【業務内容】
利用者様の送迎業務、入浴介助、食事介助、機能訓練の補助、レクリエーションの企画・運営を担当。認知症の利用者様への個別対応として、回想法を取り入れたプログラムの実施にも携わる。」
訪問介護の場合
例文:
「株式会社○○ 訪問介護事業所○○
在籍期間:2019年4月~2020年9月(1年6か月)
雇用形態:常勤ヘルパー
【業務内容】
1日あたり5~6件の利用者宅を訪問し、身体介護(入浴・排泄・食事介助)および生活援助(掃除・洗濯・調理)を実施。サービス提供責任者と連携し、ケアプランに基づいたサービスを提供。」
自己PRの書き方と例文
自己PRでは、採用担当者が「この人を採用したらどう活躍してくれるか」をイメージできる内容を心がけましょう。
例文1:チームワークをアピールする場合
「特養でのユニットリーダー経験を通じて、チーム全体のケアの質を向上させることに力を注いでまいりました。具体的には、毎日のカンファレンスで利用者様の状態変化を共有する仕組みを導入し、早期対応ができる体制を構築しました。この経験を活かし、御施設でもチームの一員として、円滑な情報共有と質の高いケアの提供に貢献したいと考えております。」
例文2:コミュニケーション力をアピールする場合
「訪問介護では利用者様やご家族との信頼関係の構築を大切にしてまいりました。利用者様の些細な変化にも気づけるよう、毎回の訪問時に丁寧なコミュニケーションを心がけた結果、ご家族から『安心してお任せできる』とのお言葉をいただくことができました。」

職務経歴書の作成で注意すべきポイント
読みやすいレイアウトにする
見出しや箇条書きを活用し、情報を整理して記載しましょう。文章が詰まりすぎていると読みにくく、内容が伝わりづらくなります。フォントは明朝体で10.5~11ポイント、余白も適度に設けるのがおすすめです。
退職理由はポジティブに書く
退職理由を記載する場合は、「スキルアップのため」「新しい分野に挑戦するため」など、前向きな表現を心がけましょう。「人間関係の悪化」「給料への不満」などのネガティブな理由はそのまま書かないのが鉄則です。
数字を使って具体性を出す
「多くの利用者を担当」よりも「1ユニット10名の利用者様を担当」のように数字を使うと、経験の具体性が格段に伝わります。施設の定員数、担当人数、夜勤回数なども積極的に盛り込みましょう。
職務経歴書のテンプレートについては「ジョブメドレー 介護職の職務経歴書の書き方」や「コメディカルドットコム 介護士の職務経歴書」でもダウンロードできます。
よくある質問(Q&A)
Q. 職務経歴書は必ず必要?
求人によっては履歴書のみで応募できる場合もあります。ただし、転職エージェントを利用する場合や、中規模以上の法人に応募する場合は提出を求められることが多いです。求められていなくても用意しておくと、面接でのアピール材料になります。
Q. 介護以外の職歴も書くべき?
はい、介護以外の職歴も記載しましょう。接客業でのコミュニケーション力、事務職での正確な記録作成能力など、介護の仕事に活かせるスキルとして伝えることができます。
Q. ブランクがある場合はどう書けばいい?
育児や介護などでブランクがある場合は、その期間に何をしていたかを簡潔に記載しましょう。「家族の介護に専念(2023年4月~2024年3月)」のように書けば、ブランクの理由が明確になり、マイナス印象を軽減できます。「きらケア 介護職の職務経歴書の書き方」でもブランクの書き方が詳しく紹介されています。



