ケアマネジャー(介護支援専門員)として働いていて、「もっと条件のいい職場はないだろうか」「別の分野のケアマネ業務にも挑戦してみたい」と考えたことはありませんか。
ケアマネは介護業界の中でも専門性が高く需要が安定している職種です。記事執筆時点からは居宅介護支援も処遇改善加算の対象になるなど、待遇面での改善も進んでいます。転職のタイミングとしては、まさに今がチャンスといえるでしょう。
この記事では、ケアマネの転職市場の実態から、求人の探し方、年収の相場、転職で失敗しないためのポイントまで詳しく解説します。

ケアマネの転職市場は今どうなっている?
需要は高いが人材は不足
高齢者人口の増加に伴い、ケアプランの作成を担うケアマネの需要は堅調です。一方で、ケアマネ試験(介護支援専門員実務研修受講試験)の受験者数は減少傾向にあり、資格保有者の高齢化も進んでいるため、慢性的な人材不足が続いています。
この状況は、転職を考えているケアマネにとっては有利に働きます。経験者を求める事業所は多く、条件交渉がしやすい環境といえるでしょう。
記事執筆時点の制度改正が追い風に
記事執筆時点の介護報酬臨時改定では、これまで対象外だった居宅介護支援・介護予防支援も処遇改善加算の対象に加わりました。改定率は+2.03%で、ケアマネを含む介護従事者1人あたり月1万円の賃上げが可能になる水準です。
これにより、居宅ケアマネの待遇改善が進むことが期待されています。
ケアマネの平均年収・給与相場
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、ケアマネの平均的な給与は以下のとおりです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 所定内給与(月額) | 約29万1千円 |
| 手当等含む平均月給 | 約32万円 |
| 年間賞与 | 約67万7千円 |
| 平均年収 | 約420万〜450万円 |
| 手取り(月額目安) | 約23万円前後 |
ただし、勤務先によって大きな差があります。
勤務形態別の年収目安
| 勤務形態 | 年収の目安 |
|---|---|
| 居宅介護支援事業所 | 380万〜450万円 |
| 特別養護老人ホーム(施設ケアマネ) | 400万〜480万円 |
| 地域包括支援センター | 400万〜500万円 |
| 管理者兼務 | 450万〜550万円 |
地域包括支援センターや管理者ポジションは給与水準が高い傾向にあります。年収500万円以上を狙うなら、こうしたポジションへのステップアップを視野に入れてみてください。

ケアマネの求人を効率よく探す方法
介護専門の転職サイトを活用する
マイナビ介護職、カイゴジョブ、きらケアなどの介護特化型の転職サイトは、ケアマネ求人の取り扱いが豊富です。非公開求人も多いため、会員登録をして専任のアドバイザーに相談するのがおすすめです。
ハローワークを利用する
地域密着の中小規模事業所の求人はハローワークに多い傾向があります。転職サイトにはない穴場的な求人が見つかることもあるので、併用するとよいでしょう。
地域の介護支援専門員協会の情報を活用する
各都道府県の介護支援専門員協会では、会員向けに求人情報を提供していることがあります。同業のネットワークを通じた情報収集は、職場の内部事情を知るうえでも有効です。
知人・同業者からの紹介
研修や勉強会で知り合ったケアマネからの紹介は、職場のリアルな情報を得られるという点で大きなメリットがあります。日頃から業界のつながりを大切にしておくことが、結果的に転職活動に活きてきます。
ケアマネの転職で失敗しない5つのポイント
1. 担当件数の上限を確認する
居宅ケアマネの場合、1人あたりの担当件数が負担に直結します。法定上限は44件(ICT活用で49件)ですが、事業所によって実際の運用は異なります。面接時に具体的な件数を確認しておきましょう。
2. 残業の実態を把握する
ケアプランの作成やサービス担当者会議の調整など、ケアマネの業務は多岐にわたります。残業がどの程度発生するのか、休日出勤はあるのかなどは事前に聞いておくべき項目です。
3. 法人の経営状態を調べる
小規模な居宅介護支援事業所は経営基盤が脆弱な場合もあります。法人の運営実績や他の事業展開の有無なども確認し、安定して働ける環境かどうかを見極めましょう。
4. 研修・スキルアップの機会を確認する
主任ケアマネ研修の受講支援や外部研修への参加制度があるかは、長期的なキャリア形成に大きく影響します。成長意欲のある方ほど、この点は重視してください。
5. 施設ケアマネか居宅ケアマネか明確にする
施設ケアマネは一つの施設内で完結する業務が多く、居宅ケアマネは利用者宅への訪問や外部サービスとの調整が中心です。自分の働き方の希望に合ったタイプを選ぶことが、転職満足度を左右します。

ケアマネから次のキャリアへ
ケアマネの経験は、さまざまなキャリアパスにつながります。
主任ケアマネジャー
ケアマネとしての実務経験を積んだ後、主任介護支援専門員研修を修了すると取得できます。地域包括支援センターの配置要件にもなっており、管理職や指導的立場を目指す方にとっては重要なステップです。
地域包括支援センターへの転職
主任ケアマネの資格があれば、地域包括支援センターでの勤務が可能になります。給与水準も比較的高く、行政との連携業務など幅広い経験を積むことができます。
独立開業
ケアマネは独立して居宅介護支援事業所を開設することもできます。経営リスクはありますが、自分の理想とするケアマネジメントを実現できる選択肢です。
管理者・施設長
ケアマネの知識と経験は、施設運営のマネジメントにも直結します。管理者や施設長への昇進を目指す道もあります。
よくある質問(Q&A)
Q. ケアマネの転職に適した時期はいつですか?
一般的には4月入職を目指して1〜2月に転職活動を始める方が多いです。ただし、ケアマネは通年で求人が出ているため、良い求人を見つけたら時期にこだわらず動いてもよいでしょう。
Q. ケアマネの経験が浅くても転職できますか?
経験1〜2年でも転職は可能です。ただし、即戦力を求める事業所が多いため、面接では具体的な業務経験やケアプラン作成の実績をアピールすることが重要です。
Q. ケアマネから他業種への転職はできますか?
福祉用具専門相談員、生活相談員、医療ソーシャルワーカーなど、ケアマネの知識を活かせる他業種への転職も選択肢に入ります。コミュニケーション力や調整力は他業界でも評価されるスキルです。
Q. 居宅ケアマネの残業は多いですか?
担当件数や事業所の方針によりますが、月10〜30時間の残業が発生するケースは少なくありません。ICTツールの導入や業務効率化に積極的な事業所を選ぶことで、残業を抑えることは可能です。
まとめ
ケアマネの転職市場は需要が供給を上回る「売り手市場」が続いており、経験者にとっては有利な状況です。記事執筆時点からは居宅ケアマネも処遇改善加算の対象となり、待遇面での改善も期待できます。
転職を検討するなら、担当件数・残業の実態・キャリアアップの機会など、給与以外の条件もしっかり確認することが大切です。自分の理想の働き方を明確にしたうえで、じっくり職場を選んでいきましょう。
参考:日本介護支援専門員協会



