「グループホームってどんな仕事をするんだろう?」「自分に向いているかな?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、認知症の高齢者が少人数で共同生活を送る施設です。利用者さんと一緒に家事をしたり、ゆったりとしたケアを提供したりと、他の介護施設とはまた違った魅力のある職場です。
この記事では、グループホームの具体的な仕事内容から一日の流れ、給与事情、向いている人の特徴まで、これから働くことを検討している方に必要な情報をまとめました。

グループホームとはどんな施設?
基本的な特徴
グループホームは、要支援2以上の認知症高齢者を対象とした介護施設です。1ユニット5〜9名の少人数制で運営されており、1つの事業所に最大3ユニット(27名)まで設置できます。
「住み慣れた地域で、家庭に近い環境で暮らし続ける」ことを目的としており、利用者さんが可能な範囲で家事や日常生活に参加するのが大きな特徴です。
他の介護施設との違い
| 施設タイプ | 利用者の状態 | 規模 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| グループホーム | 認知症の方が対象 | 少人数(5〜9人/ユニット) | 家庭的な環境、家事参加あり |
| 特別養護老人ホーム | 要介護3以上が中心 | 大規模(数十〜百名) | 重度の方が多い、終身利用 |
| 有料老人ホーム | 自立〜要介護まで幅広い | 中〜大規模 | サービス内容が施設により異なる |
| デイサービス | 要介護認定者(通所) | 定員10〜30名程度 | 日中のみ、夜勤なし |
グループホームの具体的な仕事内容
生活援助
グループホームでは、利用者さんと一緒に日常的な家事を行います。
- 調理:利用者さんと一緒に献立を考え、買い物に行き、料理をする
- 掃除・洗濯:居室や共有スペースの清掃、洗濯物の管理
- 買い物:食材や日用品の買い出し(利用者さんと一緒に行くことも)
「してあげる介護」ではなく「一緒にやる介護」がグループホームの基本姿勢です。利用者さんの残存能力を活かしながら、自立を支援していきます。
身体介護
- 食事介助:見守りから全介助まで、一人ひとりの状態に合わせて対応
- 入浴介助:個浴が中心で、ゆったりと入浴していただく
- 排泄介助:トイレへの誘導・見守り・おむつ交換
- 移動介助:歩行の見守りや車いすでの移動サポート
認知症ケア
グループホームの利用者さんは全員が認知症の診断を受けている方です。そのため、認知症の症状に合わせた専門的なケアが求められます。
- 見守り・声かけ:混乱している方への穏やかな対応
- 徘徊への対応:安全を確保しながら、無理に制止しない
- BPSD(行動・心理症状)への対応:不安や興奮の背景を理解し、適切にケアする
レクリエーション
季節の行事や体操、手芸、園芸、音楽活動など、利用者さんが楽しめるレクリエーションの企画・実施も重要な業務です。認知症の進行を緩やかにする効果も期待されています。
健康管理・記録
バイタルチェック(体温・血圧・脈拍の測定)、服薬管理、ケア記録の作成なども日常業務に含まれます。

グループホームの一日の流れ
日勤帯のスケジュール例
| 時間 | 業務内容 |
|---|---|
| 7:00 | 起床介助・着替え・洗面のサポート |
| 8:00 | 朝食の準備・配膳・食事介助・服薬介助 |
| 9:00 | 口腔ケア・バイタルチェック |
| 10:00 | 入浴介助(週2〜3回)または自由時間の見守り |
| 11:00 | 利用者さんと一緒に昼食の準備 |
| 12:00 | 昼食・食事介助・後片付け |
| 13:00 | 休憩時間 |
| 14:00 | レクリエーション・散歩・通院同行など |
| 15:00 | おやつ・お茶の時間 |
| 16:00 | 記録作成・申し送り |
夜勤帯のスケジュール例
| 時間 | 業務内容 |
|---|---|
| 16:00 | 出勤・申し送りの確認 |
| 17:00 | 利用者さんと一緒に夕食の準備 |
| 18:00 | 夕食・食事介助・後片付け・服薬介助 |
| 20:00 | 就寝介助(着替え・排泄介助) |
| 21:00〜 | 巡回・見守り(1〜2時間おき) |
| 0:00〜 | 仮眠(施設による)・おむつ交換・体位変換 |
| 6:00 | 起床介助・朝食準備 |
| 9:00 | 日勤への申し送り・退勤 |
グループホームの給与・待遇
グループホームで働く介護職員の平均的な給与は以下のとおりです。
| 雇用形態 | 月給の目安 | 年収の目安 |
|---|---|---|
| 常勤(無資格) | 20万〜24万円 | 270万〜330万円 |
| 常勤(介護福祉士) | 24万〜30万円 | 330万〜400万円 |
| パート・非常勤 | 時給1,000〜1,400円 | – |
特養や老健に比べるとやや低い水準ですが、夜勤手当や処遇改善加算を含めると月収は上がります。また、記事執筆時点の介護報酬改定による処遇改善の拡充も、給与アップの追い風になっています。

グループホームで働くメリット
利用者さんとの距離が近い
少人数制のため、一人ひとりの利用者さんと深く関わることができます。名前と顔がすぐに一致し、その方の生活史や好みを理解したうえでケアを提供できるのは大きな魅力です。
認知症ケアの専門性が身につく
グループホームでの経験は、認知症ケアの専門スキルとして高く評価されます。認知症ケア専門士などの資格取得にもつながり、キャリアアップの土台になります。
チームワークを実感できる
少人数のスタッフで運営するため、一人ひとりの存在感が大きく、チームとしての一体感を感じやすい環境です。
家庭的なスキルが活かせる
料理や掃除など、日常的な家事スキルがそのまま仕事に活かせます。特に主婦(主夫)経験のある方は即戦力として活躍できるでしょう。
グループホームで働くデメリット・注意点
- 認知症対応の難しさ:徘徊や暴言、不穏な状態への対応に悩む場面がある
- 少人数ゆえの負担:スタッフが少ないため、一人あたりの業務負担が大きくなることがある
- 調理業務の負担:料理が苦手な方にとっては、毎日の食事作りがストレスになることも
- 夜勤は1人体制の場合も:1ユニットにつき夜勤スタッフ1人という施設も多い
グループホームに向いている人の特徴
- 利用者さん一人ひとりとじっくり向き合いたい人
- 認知症ケアに興味がある人
- 料理や家事が好きな人
- 家庭的な雰囲気の職場で働きたい人
- 忍耐力があり、穏やかに対応できる人
- 少人数のチームで協力して働くことが好きな人
よくある質問(Q&A)
Q. グループホームは未経験でも働けますか?
働けます。未経験・無資格OKの求人も多数あります。ただし、認知症の方への対応は知識があったほうがスムーズなので、入職後に初任者研修の取得を目指すのがおすすめです。
Q. グループホームの夜勤は何人体制ですか?
1ユニットにつき1人が基本です。2ユニットの施設なら夜勤者は2人ですが、それぞれのユニットを1人ずつで担当します。緊急時にはオンコール(看護師への電話連絡)で対応する施設が多いです。
Q. グループホームで管理者になるにはどうすればいいですか?
厚生労働省が定める「認知症対応型サービス事業管理者研修」を修了する必要があります。介護福祉士の資格と一定の実務経験があれば、管理者への道が開けます。
まとめ
グループホームは、少人数で家庭的な環境のなか、認知症の利用者さんと深く関わることができる介護施設です。調理や買い物などの生活援助から身体介護、認知症ケアまで幅広い業務を経験でき、介護の基本をしっかり身につけたい方にとって理想的な職場といえるでしょう。
認知症ケアの専門性はこれからの介護業界でますます求められていきます。グループホームでの経験は、今後のキャリアにとって大きな財産になるはずです。



