「介護って女性が多い職場でしょ?男性でもやっていける?」――そう思って踏み出せずにいる男性は少なくないでしょう。
しかし実際には、男性介護士の需要は年々高まっています。力仕事での活躍はもちろん、管理職への昇進や同性介助のニーズなど、男性ならではの強みを発揮できる場面は多いのです。
この記事では、男性が介護職に転職するメリットや需要の実態、年収事情、活躍できるポイントまで詳しく解説していきます。
介護業界における男性の需要
男性スタッフは貴重な存在
介護業界は女性が多い職場ですが、だからこそ男性スタッフの存在は重宝されます。介護の現場では力仕事や夜勤を担える人材が常に求められており、男性スタッフへの期待は大きいのが実態です。
同性介助のニーズが増加
利用者のプライバシーへの配慮から、入浴介助や排泄介助を同性のスタッフに担当してほしいという要望が増えています。男性利用者からの「男性スタッフにお願いしたい」という声に応えるためにも、男性介護士は欠かせない存在です。
介護業界全体の人材不足
介護サービス職の有効求人倍率は3.5〜4.0倍と高水準が続いています。性別を問わず人材を求めている施設がほとんどで、男性が介護業界に転職するハードルは非常に低い状況です。

男性が介護に転職する5つのメリット
メリット1:力仕事で信頼を得やすい
介護の現場では、利用者の移乗介助(ベッドから車いすへの移動など)や入浴介助で体力が求められる場面があります。男性の体力は現場で大きな安心材料となり、同僚からも利用者からも頼りにされます。
メリット2:管理職・リーダーへの昇進チャンスが多い
男性は女性に比べて、出産や育児による長期離職が少ない傾向にあります。そのため、同じ職場で長く勤務することで管理職やリーダー職に昇進しやすいのが現実です。介護主任やフロアリーダー、施設長など、キャリアアップの道が豊富にあります。
メリット3:夜勤で収入アップしやすい
入所系施設では夜勤があり、1回あたり5,000〜8,000円の夜勤手当がつくのが一般的です。月4〜5回の夜勤をこなせば、それだけで月2〜4万円の収入増になります。体力のある男性にとって、夜勤は収入面で大きなメリットです。
メリット4:多様な施設での活躍の場がある
特養、老健、グループホーム、デイサービス、訪問介護など、介護施設の種類は豊富です。男性の力が特に求められるのは入所系施設ですが、デイサービスのレクリエーション(スポーツ系)やドライバー(送迎業務)など、男性ならではの役割もあります。
メリット5:他業界からのスキルが活かしやすい
営業職の対人スキル、製造業の体力、IT業界のデジタルリテラシー、飲食業の臨機応変さなど、どんな業界で培ったスキルも介護の現場に転用できます。異業種からの転職者が多い業界なので、前職の経験はむしろプラスに評価されます。

男性が介護に転職するときの不安と実態
「女性ばかりの職場で馴染めるか」「男性が介護をするイメージがわかない」といった不安を抱く方は少なくありません。しかし実際に働き始めると、「力仕事で頼りにされるのがうれしい」「利用者の男性から感謝されることが多い」といった声がほとんどです。職場の女性スタッフからも「男性がいると安心感がある」と歓迎されるケースが多く、思っていたよりも居心地が良いと感じる男性転職者は少なくありません。
男性介護士の年収事情
厚生労働省のデータによると、男性介護士の平均年収は約427万円です。女性介護士の平均年収が約395万円であることと比較すると、男性のほうが約30万円高い傾向にあります。
この差は、男性が夜勤に入る回数が多いことや、管理職に就く割合が高いことが主な要因です。
男性介護士の年収アップの道筋
- 入職時(無資格・未経験):年収280〜320万円程度
- 介護福祉士取得後:年収350〜400万円程度
- リーダー職・主任:年収400〜450万円程度
- 施設長・管理者:年収450〜550万円以上も
- ケアマネジャー:年収400〜480万円程度
さらに、介護業界では処遇改善が年々進んでおり、月額最大1.9万円の賃上げ補助金の支給や介護報酬の改定なども実施されています。今後も給与水準は上昇していく見通しです。
男性が活躍しやすい施設タイプ
特別養護老人ホーム(特養)
要介護度の高い利用者が多く、身体介護の技術が磨ける施設です。力仕事が多い分、男性の活躍の場が特に多いのが特徴。夜勤も含めたフルタイム勤務で、安定した収入を得られます。
介護老人保健施設(老健)
リハビリを目的とした施設で、医師や看護師、理学療法士と連携して働きます。医療知識も学べるため、スキルアップを目指す男性に向いています。
デイサービス
日勤のみで夜勤がない施設です。送迎のドライバー業務を兼務するケースも多く、運転免許を持つ男性にとってはアピールポイントになります。スポーツ系のレクリエーション(体操、ボール運動など)の企画でも男性は頼りにされます。
訪問入浴
利用者の自宅に浴槽を持ち込んで入浴のお手伝いをするサービスです。浴槽の搬入・搬出があるため体力が必要で、男性スタッフの需要が特に高い分野です。
男性介護士が気をつけるべきポイント
女性が多い職場でのコミュニケーション
介護現場は女性が多い環境です。職場の人間関係を円滑にするためには、相手の意見を尊重する姿勢と、丁寧なコミュニケーションを心がけることが大切です。一方的に意見を押し通すのではなく、チームワークを重視しましょう。
利用者への配慮
女性の利用者のなかには、男性スタッフによる身体介護に抵抗を感じる方もいます。利用者の気持ちを最優先に考え、必要に応じて女性スタッフと交代するなど、柔軟な対応を心がけましょう。
「男性だから力仕事ばかり」と過度に身体介護を任されるケースがあります。自分の体への負担を感じたら、早めに上司に相談しましょう。ボディメカニクスの技術を身につけることで、腰痛などのリスクを軽減できます。

男性の介護転職を成功させるコツ
コツ1:「なぜ介護を選んだのか」を明確に伝える
面接では「男性がなぜ介護を?」と聞かれることがあります。「父の介護をきっかけに介護の仕事に興味を持った」「体力を活かして人の役に立ちたい」など、自分の言葉で動機を説明できるように準備しておきましょう。
コツ2:資格取得の意欲をアピールする
初任者研修や介護福祉士の取得を目指していることを伝えると、「長く続けてくれそう」という印象を与えられます。将来的にケアマネジャーや管理職を目指す意思を示すのも効果的です。
コツ3:施設見学で雰囲気を確認する
男性スタッフがどのくらいの割合で在籍しているかは、施設によって大きく異なります。見学時に男性スタッフの数や、彼らが活き活き働いているかを確認しましょう。男性スタッフが多い施設のほうが、馴染みやすい傾向があります。
よくある質問(Q&A)
Q. 男性は介護の仕事に向いている?
向き・不向きは性別ではなく個人の資質によります。思いやりがあり、チームワークを大切にできる人であれば、男性でも十分に活躍できます。力仕事や夜勤で貢献しやすい点は、男性のアドバンテージと言えるでしょう。
Q. 男性の離職率は女性より高い?
介護業界全体の離職率は近年低下傾向にあり、男女で大きな差はありません。むしろ男性は長期勤続する傾向があるため、管理職への昇進率は男性のほうが高い傾向にあります。
Q. 未経験・無資格でも大丈夫?
もちろん大丈夫です。無資格・未経験で応募できる求人は多数あります。入職後に資格取得支援制度を利用して初任者研修を取る流れが一般的です。
Q. 男性が介護で年収を上げるにはどうすればいい?
もっとも確実な方法は介護福祉士の国家資格を取得することです。月1〜3万円の資格手当がつくのが一般的で、年間で12〜36万円の収入アップにつながります。さらに、リーダー職や管理職への昇進を目指すことで、年収450万円以上も視野に入ってきます。夜勤に積極的に入ることも短期的な収入アップには効果的です。
Q. 男性介護士の将来性はどう?
日本の高齢化は今後さらに進むため、介護職の需要は増え続ける見通しです。男性介護士は数が少ない分、希少価値が高く、同性介助のニーズ増加とともに今後さらに需要が高まると予測されています。管理職に就く男性も増えており、将来性のある職業と言えるでしょう。
まとめ
男性が介護職に転職するメリットは多く、需要も年々高まっています。力仕事でのアドバンテージ、同性介助のニーズ、管理職への昇進のしやすさなど、男性だからこそ活かせる強みが介護の現場には確実にあります。
「介護は女性の仕事」という先入観は過去のもの。男性介護士としてキャリアを築くことは、将来的にも非常に有望な選択肢です。まずは介護専門の転職エージェントや気になる施設の見学から始めてみましょう。


