「介護の仕事は残業が多そう」というイメージを持っている方は少なくないかもしれません。しかし実際のデータを見てみると、介護職の残業時間は他業種と比べてかなり短いことがわかります。
厚生労働省の調査によると、介護職員の月平均残業時間は約1.3時間(無期雇用)で、全産業平均と比べても非常に少ない水準です。さらに、残業なし・残業ほぼゼロの求人も数多く存在しています。
この記事では、残業なしの介護求人の探し方、残業が少ない職場の特徴、そしてサービス残業を避けるためのポイントまで詳しく解説します。

介護職の残業の実態
まずは、介護職の残業時間に関するデータを確認しましょう。
月平均残業時間
公益財団法人 介護労働安定センターの調査によると、介護職員の月平均残業時間は約8.2時間で、無期雇用職員の56.6%が「残業なし」と回答しています。
- 月平均残業時間:約8.2時間
- 残業なしの割合:56.6%
- 残業5時間未満の割合:25.4%
- 合計(5時間未満以下):82.0%
つまり、介護職員の8割以上が月5時間未満の残業で収まっているということです。全産業の平均残業時間と比較しても、介護業界の残業は少ないといえます。
サービス残業の実態
一方で、介護業界にはサービス残業の問題も存在します。施設勤務の職員で不払い残業が「なし」と回答した人は75.0%ですが、裏を返せば4人に1人はサービス残業を経験しているというデータもあります。
この問題を避けるためにも、職場選びの段階で残業の実態を見極めることが重要です。

残業が少ない介護の職場の特徴
残業がほとんど発生しない職場には、共通する特徴があります。
業務の終了時間が明確
デイサービスなどの通所系施設は、利用者の送迎時間が決まっているため、業務の終了時間が自然と定まります。「利用者が帰った後は片付けと記録だけ」というシンプルな流れで、定時退勤しやすい環境です。
人員が十分に確保されている
スタッフの人数が十分な施設は、一人あたりの業務量が適正に保たれているため、残業が発生しにくい傾向にあります。求人票に記載されている「職員数」や「利用者対スタッフの比率」を確認しましょう。
ICTやロボットの導入が進んでいる
介護記録のICT化やセンサー機器の活用が進んでいる施設では、事務作業の時間が大幅に短縮されています。最新の設備を導入している施設は、業務効率が高く残業が少ないケースが多いです。
管理者のマネジメントがしっかりしている
残業を良しとしない方針を持ち、業務の効率化や分担の見直しに積極的に取り組んでいる管理者がいる施設は、職員の定時退勤を実現しやすい環境です。
- 業務終了時間が明確(特に通所系)
- 職員の配置人数が十分
- ICT化・記録の電子化が進んでいる
- 管理者が残業削減に積極的
- 業務分担が明確で、引き継ぎがスムーズ
残業が発生しやすい業務とその対策
介護現場で残業が発生しやすい業務パターンと、その対策を知っておきましょう。
記録業務
介護記録の作成は残業の原因になりやすい業務です。手書きの記録が多い施設ほど時間がかかる傾向にあります。
対策:タブレットやPCを使った電子記録を導入している施設を選ぶと、記録業務が効率化されています。
申し送り・引き継ぎ
シフト交代時の申し送りが長引くと、退勤時間が遅れることがあります。
対策:申し送りの時間が決められている施設や、電子掲示板で情報共有している施設は効率的に引き継ぎが行われています。
緊急対応
利用者の急変やトラブルへの対応で、予定外の残業が発生することがあります。
対策:この種の残業は完全には避けられませんが、緊急時の対応マニュアルが整備されている施設であれば、最小限の時間で対処できます。
会議・研修
勤務時間外に開催される会議や研修が、実質的な残業となっているケースもあります。
対策:会議や研修を勤務時間内に実施している施設を選ぶか、参加時間に残業手当が支給されるかを確認しましょう。
残業なしの介護求人の探し方
転職サイトで「残業なし」「残業少なめ」を条件指定
介護専門の転職サイトでは、「残業少なめ」「残業月10時間以下」などの条件で絞り込み検索ができます。「残業なし」のキーワードで検索するだけでも、多数の該当求人が表示されます。
施設のタイプで絞り込む
デイサービスやデイケアなど、営業時間が決まっている施設に絞って検索すると、残業が少ない求人が集中的に見つかります。
転職エージェントに実態を聞く
求人票に「残業少なめ」と書かれていても、実態は異なる場合があります。転職エージェントは施設の内部情報を持っていることが多いため、「実際の残業時間はどのくらいか」を率直に聞いてみましょう。
口コミサイトで確認する
転職口コミサイトで、実際に働いた方の声を確認するのも有効です。「残業がほとんどなかった」「サービス残業が多かった」といったリアルな情報が参考になります。
介護職の働き方改革に関する最新情報は、厚生労働省の労働時間等の設定改善に関するページで確認できます。
サービス残業を避けるためのポイント
介護業界でサービス残業を避けるために知っておきたいポイントを紹介します。
面接で残業の実態を質問する
面接時に「月の平均残業時間はどのくらいですか?」「記録業務は勤務時間内に終わりますか?」と具体的に質問しましょう。
タイムカードの運用を確認する
タイムカードや勤怠管理システムがきちんと運用されている施設は、サービス残業が発生しにくい傾向にあります。出退勤の記録方法を確認しておくと安心です。
施設見学で雰囲気を確認する
可能であれば、施設見学を申し込んで終業時刻前後の雰囲気を確認しましょう。定時後に多くのスタッフが残っている施設は、残業が常態化している可能性があります。
労働条件通知書を確認する
入職前に必ず労働条件通知書を確認し、残業の有無や時間外手当の支給について書面で確認しておきましょう。厚生労働省の労働条件に関するページで、確認すべき項目を知ることができます。
よくある質問
Q. 介護職で完全に残業ゼロの職場はありますか?
完全にゼロは難しいですが、デイサービスなど営業時間が明確な施設では、月の残業がほぼゼロという職場は多くあります。先述のとおり、56.6%の介護職員が「残業なし」と回答しています。
Q. 残業を断ることはできますか?
契約上の勤務時間を超える残業は、36協定の範囲内で行われる必要があります。育児や介護を理由に時間外労働の制限を申請することも可能です。
Q. 派遣なら残業はありませんか?
派遣の場合、契約で「残業なし」と定めておけば、原則として残業は発生しません。派遣会社が間に入るため、残業を強いられるリスクは低いです。
Q. パートなら残業は少ないですか?
一般的に、パートは正社員と比べて残業が少ない傾向にあります。ただし、施設の状況によっては依頼される場合もあるため、入職時に確認しておきましょう。
まとめ
介護職の残業は他業種と比べて少なく、8割以上の介護職員が月5時間未満の残業に収まっています。残業なし・残業少なめの求人も豊富に存在しており、施設選びを工夫すれば定時退勤が可能な働き方を実現できます。
残業が少ない職場を選ぶポイントは、通所系サービスを中心に探すこと、ICT化が進んだ施設を選ぶこと、そして面接時に残業の実態をしっかり確認することです。
プライベートの時間を大切にしながら介護の仕事に取り組みたい方は、ぜひ今回の内容を参考にして求人を探してみてください。



