介護職のボーナス(賞与)はいくらもらえるのか、気になっている人は多いだろう。「介護職はボーナスが少ない」というイメージを持つ人もいるかもしれないが、実際のところ施設や雇用形態によって金額はかなり異なる。結論から言えば、介護職員全体の平均ボーナスは年間約50〜55万円となっている。
しかし、この平均値だけで判断するのは危険だ。特養で働く正社員なら年間約70〜80万円のボーナスが出る一方、パートやアルバイトではボーナスが支給されないケースも珍しくない。施設形態や保有資格、経験年数によって大きく変動するため、自分の状況に当てはめて考えることが重要だ。
この記事では、介護職のボーナスの平均額を施設別・経験年数別に詳しく解説し、ボーナスを増やすためのコツも紹介していく。今の職場のボーナスが適正なのか知りたい人や、転職でボーナスアップを目指している人はぜひ参考にしてほしい。

介護職のボーナス平均額|全体の相場
厚生労働省の賃金構造基本統計調査や各種調査データを総合すると、介護職員のボーナス平均額は以下の通りだ。
- 介護職員全体:年間約50〜55万円(1回あたり約25〜27.5万円)
- 正社員:年間約60万円前後
- 非正規職員:年間約34万円前後
- 男性介護職:年間約57万円
- 女性介護職:年間約48万円
ボーナスは通常、夏と冬の年2回に分けて支給されるのが一般的だ。支給月は6〜7月と12月が多い。1回あたりの支給額は基本給の1〜2ヶ月分程度が相場で、施設の経営状況やその年の業績によって変動する。
全産業の平均ボーナスと比較すると、介護職のボーナスはやや低い水準にあるものの、国の処遇改善施策の影響で年々改善傾向にある。特に処遇改善加算が充実した施設では、ボーナスに上乗せする形で手当が支給されるケースもある。
施設別のボーナス平均額
施設形態によってボーナスの額には大きな差がある。以下は施設別の平均的なボーナス額の目安だ。
- 介護老人福祉施設(特養):年間約70〜80万円
- 介護老人保健施設(老健):年間約65〜74万円
- 有料老人ホーム:年間約40〜60万円
- グループホーム:年間約35〜50万円
- デイサービス:年間約30〜45万円
- 訪問介護:年間約35〜50万円
特養のボーナスが最も高く、年間約80万円近くに達するケースもある。社会福祉法人が運営する特養は経営が比較的安定しており、ボーナスもしっかり支給される傾向がある。一方、小規模な有料老人ホームやデイサービスは経営状況によってボーナスが不安定になることがある。
なぜ特養のボーナスが高いのか。その理由は、特養は公的な介護保険施設であり、介護報酬が比較的安定していること、さらに社会福祉法人は利益を職員に還元しやすい構造になっていることが挙げられる。

経験年数別のボーナス相場
経験年数が長くなるほど、ボーナスの額も上がる傾向がある。以下は一般的な目安だ。
- 1〜3年目:年間30〜40万円程度(基本給が低いためボーナスも少なめ)
- 4〜6年目:年間40〜55万円程度(資格取得や昇給の影響で増加)
- 7〜10年目:年間50〜65万円程度(役職手当がつく人も)
- 10年以上:年間60〜80万円程度(管理者クラスはさらに高い)
特に介護福祉士を取得した後は、資格手当が基本給に上乗せされるためボーナスの算定基準も上がるケースが多い。ボーナスは基本給をベースに計算されるため、基本給を上げることがボーナスアップの近道だ。
また、勤続年数が長いほど基本給が上がるため、長期勤続もボーナスアップの要因になる。ただし、昇給幅が小さい施設では勤続年数を重ねてもボーナスがあまり増えないこともある。そのような場合は転職を検討するのも一つの手だ。
ボーナスを増やす4つのコツ
コツ1:ボーナス支給実績の高い施設を選ぶ
求人を探す際は、「賞与○ヶ月分」という記載に注目しよう。一般的に賞与3ヶ月分以上の施設は好待遇と言える。社会福祉法人や大手法人は支給実績が安定していることが多い。ただし「賞与あり」とだけ書かれていて金額が不明な求人には注意が必要だ。面接時に過去の支給実績を具体的に確認しよう。
コツ2:資格を取得して基本給を上げる
ボーナスは基本給に連動して算定されることが多い。介護福祉士などの資格を取得して基本給を上げれば、自動的にボーナスの額もアップする。月の基本給が1万円上がれば、ボーナス3ヶ月分の場合、年間3万円のボーナスアップだ。
コツ3:評価される働き方をする
人事評価によってボーナスの額が変動する施設もある。日々の業務態度やリーダーシップ、利用者からの評価が反映される場合は、普段の仕事ぶりがボーナスに直結する。改善提案や業務効率化への貢献もプラス評価につながりやすい。
コツ4:転職でボーナスの多い施設に移る
今の施設のボーナスが少ないと感じたら、転職も選択肢のひとつだ。同じ経験・資格でもボーナスが年間20〜30万円違う施設はいくらでもある。介護専門の転職エージェントを利用すれば、ボーナスの支給実績を事前に確認した上で応募できる。

ボーナスの有無や金額は、求人票に「賞与あり」と書かれていても保証されるわけではない。経営状況が悪化すればカットされることもある。面接時に「過去3年間のボーナス支給実績は何ヶ月分ですか」と具体的に確認しておこう。
よくある質問(Q&A)
Q. パートでもボーナスはもらえる?
施設による。近年は同一労働同一賃金の流れから、パート職員にもボーナスを支給する施設が増えている。ただし、正社員と比べると金額は少なく、寸志程度(数万円)のケースもある。求人票でパートの賞与有無を確認しておくとよい。
Q. 入社1年目でもボーナスはもらえる?
多くの施設では入社1年目の夏のボーナスは満額支給されないことがある。在籍期間に応じた按分か、寸志程度のケースが一般的だ。冬のボーナスから通常支給になるパターンが多い。入社時期によっても異なるため、面接時に確認しておくとよいだろう。
Q. ボーナスなしの施設もある?
残念ながら、ボーナスが一切支給されない施設も存在する。特に小規模な事業所や、経営状況の厳しい施設では賞与なしのケースがある。安定してボーナスを受け取りたいなら、社会福祉法人や大手法人が運営する施設を選ぶのがおすすめだ。
まとめ
介護職のボーナス平均は年間約50〜55万円で、施設形態や資格の有無、経験年数によって大きく変動する。特養や老健は年間70〜80万円と高水準で、ボーナス重視なら施設選びが非常に重要だ。
ボーナスを増やしたいなら、資格取得で基本給を上げるか、ボーナス実績の高い施設への転職を検討しよう。介護業界は処遇改善が進んでおり、ボーナスを含めた年収の底上げが今後も期待できる状況だ。自分のボーナスが相場と比べてどうなのか、この記事を参考に一度確認してみてほしい。


