介護職として働いていて「もっと給料を上げたい」と感じている方は多いはずだ。介護職の給料を上げるには、戦略的なアプローチが必要になる。漠然と待っているだけでは大幅な昇給は期待しにくいのが現実だ。
ここでは、介護職が収入をアップさせるための具体的な方法を、資格取得・キャリアアップ・転職・制度活用の4つの軸で詳しく解説していく。どれか一つでも実践すれば、収入アップにつながる可能性は十分にある。

方法1:資格を取得して資格手当を得る
介護職の給料を上げる最も確実な方法が資格取得だ。資格によって月1万~3万円の手当がつくため、年収に換算すると12万~36万円のアップが見込める。
介護職員初任者研修
介護の入門資格であり、取得までの期間は約1~4ヶ月。資格手当は月3,000~5,000円程度と金額は小さいが、求人の選択肢が大幅に広がる。まだ持っていない方は最優先で取得しよう。
実務者研修
初任者研修の上位資格で、介護福祉士試験の受験に必要。資格手当は月5,000~10,000円程度。取得までの期間は初任者研修修了者で約4ヶ月、無資格者は約6ヶ月が目安だ。
介護福祉士
介護系の唯一の国家資格。実務経験3年以上+実務者研修修了が受験要件だ。資格手当は月10,000~20,000円程度で、処遇改善加算の恩恵も大きくなる。介護職で給料を上げるなら、この資格の取得がもっとも効果的だ。
ケアマネジャー(介護支援専門員)
介護福祉士の上位に位置する資格で、ケアプランの作成が主な業務。資格手当は月15,000~30,000円程度。デスクワークが中心になるため、体力的な負担は減る。
資格取得にかかる費用が心配な方は、資格取得支援制度がある施設を選ぼう。受講料の全額負担や、勤務扱いでの研修受講を認めてくれる事業所も増えている。
その他のおすすめ資格
- 認知症ケア専門士:認知症ケアの専門性を証明。手当がつく施設もある
- 喀痰吸引等研修:医療的ケアができるようになり、活躍の場が広がる
- 福祉住環境コーディネーター:住環境の提案ができる。転職時のアピールポイントに
- 社会福祉士:相談援助の国家資格。管理職を目指すなら有利

方法2:キャリアアップで役職手当を狙う
現場の介護職からリーダーや管理職に昇格すれば、役職手当がつく。一般的なキャリアパスは以下の通り。
一般職→リーダー→主任→管理者
- ユニットリーダー・チームリーダー:役職手当月5,000~15,000円程度
- 主任・副主任:役職手当月10,000~20,000円程度
- 管理者・施設長:役職手当月30,000~50,000円程度
管理者クラスになれば月収30万~40万円、年収450万~550万円も狙える。介護現場の経験に加えて、マネジメントスキルやコミュニケーション能力を磨くことが大切だ。

方法3:転職で年収アップを実現する
より好条件の施設に転職する
同じ介護職でも、施設によって月給に3万~5万円の差が出ることは珍しくない。年収で36万~60万円の差になるため、転職は給料アップの有力な手段だ。
特に以下のようなポイントに注目して転職先を選ぼう。
- 処遇改善加算の取得状況:加算率が高い施設ほど給料に反映される
- 賞与の支給実績:年間4ヶ月分以上なら好条件
- 基本給の水準:手当に頼らない基本給が高い施設を選ぶ
- 夜勤回数と手当:夜勤手当は施設によって2倍以上の差がある
施設形態を変える
デイサービスから特養、グループホームから有料老人ホームなど、施設形態を変えるだけで月収が上がるケースは多い。入所施設は夜勤があるため給料が高い傾向にある。
転職で給料を上げるときは、給料だけでなく「人間関係」「残業の多さ」「有給取得率」なども確認しよう。給料が高くても働きにくい職場では長続きしない。
都市部に転職する
地方と都市部では月収に2万~5万円の差がある。東京・神奈川・大阪などの都市部は生活費も高いが、その分給料も高い。トータルの生活水準で比較して判断しよう。
方法4:制度を最大限活用する
処遇改善加算を確認する
記事執筆時点の介護報酬改定で、介護職員1人あたり月額最大1.9万円の賃上げが実施されている。ただし、この加算をどの程度職員に還元するかは事業所によって異なる。転職時には「処遇改善加算の区分」と「実際の配分方法」を確認しよう。
資格取得支援制度を利用する
多くの介護事業所が資格取得支援制度を設けている。受講料の全額負担、勤務扱いでの研修受講、試験休暇の付与など、内容は施設によってさまざまだ。制度が充実している施設を選ぶことで、費用をかけずに資格が取れる。
各種手当を漏れなく受け取る
以下の手当がある施設を選ぶと、月収を底上げできる。
- 夜勤手当:1回あたり5,000~8,000円
- 住居手当・家賃補助:月10,000~30,000円
- 通勤手当:実費支給が基本
- 扶養手当:配偶者5,000~15,000円、子1人3,000~10,000円
- 資格手当:前述の通り

収入アップの具体的なロードマップ
介護職の給料を上げるための段階的なプランを紹介する。
入職1年目:初任者研修を取得
まずは介護職員初任者研修を取得して、資格手当(月3,000~5,000円)をゲットする。同時に現場経験を積んでいく。
入職2年目:実務者研修を取得
実務者研修を修了して資格手当をアップ(月5,000~10,000円)。介護福祉士試験の受験資格を満たすための準備も始める。
入職3年目:介護福祉士に合格
実務経験3年を満たしたら介護福祉士の国家試験を受験。合格すれば資格手当が月10,000~20,000円にアップする。ここが介護職の給料アップにおける最大の節目だ。
入職5年目以降:リーダー・管理職を目指す
現場でのスキルと信頼を積み重ねて、リーダーや管理職に昇格する。役職手当が加わることで、さらに月2万~5万円のアップが見込める。
さらに先:ケアマネジャーや施設長を目指す
ケアマネジャーの資格を取得するか、施設長を目指すことで年収500万円の壁を超えることも可能になる。
給料アップのロードマップは「資格取得→リーダー昇格→管理職」の3ステップが基本。焦らず着実にステップアップしていこう。
よくある質問
Q. 資格なしでも給料を上げる方法はある?
夜勤回数を増やす、住居手当がある施設に転職する、処遇改善加算が高い施設を選ぶなどの方法がある。ただし、長期的に見れば資格取得が最もコスパが良いため、並行して資格の勉強を進めるのがおすすめだ。
Q. 転職回数が多いと不利になる?
介護業界は人手不足のため、転職回数が多くてもそれほど不利にならないケースが多い。ただし、「なぜ転職したのか」を合理的に説明できるようにしておくことは大切だ。
Q. 派遣やパートでも給料を上げられる?
派遣の場合は介護福祉士の資格があると時給1,500~1,800円程度にアップすることが多い。パートでも資格手当がつく施設を選べば、時給単価を上げられる。

給料アップに成功した介護職の行動パターン
介護職で着実に収入を増やしている人には、共通する行動パターンがある。まず、入職1年目から介護福祉士の取得を見据えて計画的に経験を積んでいる。次に、処遇改善加算の高い施設を意識して選んでいる。そして、3年目以降はリーダーや主任のポジションに積極的に手を挙げている。
「給料は自分の行動で変えられる」という意識を持っている人ほど、着実に収入を上げている傾向がある。資格取得、キャリアアップ、転職のタイミングを戦略的に考えて、計画的に動いていくことが大切だ。

介護職の給料アップにおすすめの転職サイト
給料アップを目指して転職するなら、以下のサイトがおすすめだ。
- レバウェル介護求人(旧きらケア):施設の内部情報や処遇改善加算の取得状況まで教えてもらえる
- マイナビ介護職:給料や年間休日など条件で絞り込みやすい。エージェントの質も高い
- 介護ワーカー:全国の求人を幅広くカバー。地方の好条件求人も見つかりやすい
- ジョブメドレー:スカウト機能があり、施設側からオファーが届く。自分のペースで転職できる
複数のサービスに登録して、求人情報を比較検討するのが鉄則だ。1つのサイトだけでは見逃す求人が出てくるため、最低でも2~3つに登録しておこう。
まとめ
介護職の給料を上げるには、資格取得、キャリアアップ、転職、制度の活用の4つの方法がある。中でも介護福祉士の資格取得は最も効果が大きく、年収で50万円以上の差を生むこともある。
処遇改善加算の拡充により介護職の待遇は着実に改善されてきているが、自分からアクションを起こすことでさらに大きな収入アップが狙える。まずは今日からできることを一つ始めてみよう。

参考リンク:厚生労働省|介護報酬について / 社会福祉振興・試験センター|介護福祉士試験 / 介護労働安定センター


