「介護の仕事に興味があるけど、正社員として安定して働きたい」「パートと正社員、どっちが自分に合っている?」――介護業界への転職を考えるとき、雇用形態の選択は重要なポイントです。
結論から言うと、介護業界では未経験・無資格でも正社員として採用される可能性が十分にあります。業界全体の人材不足を背景に、正社員の求人は全国的に豊富です。
この記事では、介護転職で正社員を目指す方法、正社員とパートの違い、正社員で成功するためのコツを詳しく解説していきます。
介護業界で正社員になれる?現状を解説
正社員求人は豊富にある
介護業界の有効求人倍率は3.5〜4.0倍と、全職業平均の約1.15倍を大きく上回っています。正社員の求人も非常に多く、未経験・無資格でも応募できるものが数多くあります。
未経験から正社員になれる
「介護資格や介護経験の有無にこだわらないようにしている」と回答した介護事業所は全体の41.5%にのぼります。つまり、約4割の事業所が未経験者を正社員として受け入れる体制を整えているのです。
パートから正社員への登用も一般的
「いきなり正社員は不安」という方には、パートからスタートして現場に慣れてから正社員に登用してもらう方法もあります。正社員登用制度を設けている施設は多く、実績のある施設を選べば着実にステップアップが可能です。

正社員とパートの違いを徹底比較
雇用期間と安定性
正社員は無期雇用で、退職するまで雇用が継続されます。一方、パートやアルバイトは契約期間が定められていることが多く、定期的に更新手続きが必要です。雇用の安定性を求めるなら、正社員が有利です。
給与と賞与
正社員は月給制で毎月一定の収入が保証されます。加えて、資格手当・夜勤手当・処遇改善手当といった各種手当が充実しています。賞与(ボーナス)も正社員に支給されるのが一般的です。
パートは時給制で、勤務時間に応じた給与になります。夜勤手当や交通費は支給されるケースが多いですが、賞与が出ないことが一般的です。
正社員とパートの待遇比較
- 給与:正社員は月給制(平均月給約33.8万円)、パートは時給制(1,000〜1,400円程度)
- 賞与:正社員はあり(年2回が一般的)、パートは原則なし
- 退職金:正社員はあり(施設による)、パートは基本なし
- 社会保険:正社員は完備、パートは勤務時間による
- 有給休暇:正社員・パートともに法定通り付与
勤務時間と柔軟性
正社員はフルタイム勤務が基本で、入所系施設では夜勤を含むシフト制が一般的です。パートは週2〜3日や1日4〜6時間といった短時間勤務が可能で、家庭やプライベートとの両立がしやすいのがメリットです。
キャリアアップの可能性
正社員は役職に就ける可能性があり、リーダー、主任、管理者などへのキャリアアップが期待できます。パートの場合、役職への登用は限定的ですが、資格取得によるスキルアップは可能です。

正社員で働く5つのメリット
メリット1:収入が安定する
月給制のため、毎月一定の収入が保証されます。賞与や退職金も加わるため、年間の総収入はパートと比べて大きな差が出ます。厚生労働省のデータによると、常勤介護職員の平均月給は約33.8万円(各種手当含む)です。
メリット2:福利厚生が充実している
社会保険完備はもちろん、退職金制度、育児休業、介護休業、研修制度など、正社員だからこそ利用できる福利厚生が充実しています。特に資格取得支援制度は正社員に手厚い施設が多く、受講費用の全額補助を受けられるケースもあります。
メリット3:キャリアアップの道が広い
正社員として経験を積めば、リーダー職や主任、サービス提供責任者、施設長などへの昇進が見えてきます。役職手当がつくことで、さらなる収入アップも期待できます。
メリット4:社会的信用が高い
住宅ローンやクレジットカードの審査など、社会的信用が求められる場面では正社員のほうが有利です。安定した雇用形態であることは、生活面でのメリットにもつながります。
メリット5:処遇改善手当が手厚い
正社員は処遇改善加算の恩恵を受けやすい傾向があります。記事執筆時点では月額最大1.9万円の賃上げ補助金が支給されるなど、国を挙げた待遇改善が進んでいます。
正社員を目指すための具体的なステップ
ステップ1:まず初任者研修を取得する
無資格でも正社員になれる施設はありますが、初任者研修を持っていると採用の幅が大きく広がります。約130時間のカリキュラムで、通学の場合は1〜4か月で取得可能。費用は5〜15万円程度です。
転職前に取得しておくのが理想ですが、入職後に資格取得支援制度を利用して取得する方法もあります。
ステップ2:正社員の求人を重点的に探す
介護専門の求人サイトでは「正社員」で絞り込み検索ができます。施設の種類、給与、夜勤の有無、福利厚生などの条件を比較しながら、自分に合った求人を探しましょう。
ステップ3:面接で「長期的に働きたい」姿勢を伝える
採用側がもっとも重視するのは「この人は長く続けてくれるか」というポイントです。面接では、介護福祉士の取得計画やキャリアビジョンを具体的に伝えましょう。
ステップ4:パートから正社員登用を目指す方法も
いきなり正社員は不安という場合は、正社員登用制度のある施設でパートから始めるのも賢い方法です。現場の雰囲気を知ってから正社員に切り替えられるため、ミスマッチのリスクを減らせます。
パートから正社員になるための条件(一般的な目安)
- 勤続6か月〜1年以上の実績
- 初任者研修以上の資格取得
- 夜勤に対応可能であること(入所系施設の場合)
- フルタイム勤務が可能であること
- 上司からの推薦・評価

正社員として働くうえでの注意点
夜勤への覚悟
入所系施設の正社員は、夜勤を含むシフト制勤務が基本です。夜勤は1回あたり5,000〜8,000円の手当がつくメリットがある反面、生活リズムの乱れや体力的な負担が伴います。自分の体力と生活スタイルに合った夜勤頻度を職場と相談しましょう。
残業や急な出勤の可能性
スタッフの急な欠勤などで、残業や休日出勤を求められることもあります。残業手当がしっかり支給されるか、振替休日が取得できるかは、入職前に確認しておくべきポイントです。
正社員の求人で「月給○万円〜」と幅をもたせた表記がある場合、最低額からのスタートになることが多いです。面接時に「実際の初任給はいくらか」「各種手当の内訳は」を具体的に確認しましょう。みなし残業代が含まれているケースもあるため、注意が必要です。
正社員のキャリアアップロードマップ
正社員のキャリアモデル
- 1年目:現場で基礎を固めながら初任者研修を取得
- 2〜3年目:実務者研修を修了し、チームの中核メンバーに
- 4年目〜:介護福祉士の国家試験に挑戦(合格で月1〜3万円の資格手当)
- 5〜7年目:リーダー職・主任に昇進。後輩の指導も担当
- 8年目以降:ケアマネジャーや管理者を目指す道も
よくある質問(Q&A)
Q. 未経験・無資格でも正社員になれる?
なれます。介護業界では未経験・無資格OKの正社員求人が豊富にあります。入職後に資格取得支援制度を利用して初任者研修を取得するパターンが一般的です。
Q. 正社員の年収はどのくらい?
厚生労働省のデータでは、常勤介護職員の平均月給は約33.8万円、年収換算で約406万円です。資格取得や役職への昇進で年収アップが期待できます。
Q. 正社員とパート、どちらから始めるべき?
安定した収入とキャリアアップを重視するなら正社員、ライフスタイルとの両立を優先するならパートがおすすめです。「まずは現場を知りたい」という方は、パートから始めて正社員登用を目指す方法もあります。
Q. 夜勤なしの正社員求人はある?
デイサービスや訪問介護事業所では、夜勤なしの正社員求人があります。ただし入所系施設では夜勤を含むのが一般的です。求人を探す際に「夜勤なし」で絞り込んでみましょう。
Q. 正社員になるのに有利な資格は?
介護職員初任者研修の取得が第一歩です。さらに実務者研修を修了していると、採用時に即戦力として評価されやすくなります。

まとめ
介護転職で正社員を目指すことは、未経験からでも十分に実現可能です。安定した収入、充実した福利厚生、キャリアアップの道筋など、正社員ならではのメリットは数多くあります。
まずは初任者研修の取得を検討し、介護専門の転職サイトやエージェントで正社員の求人を探してみましょう。パートからのスタートでも、正社員登用という道があります。自分に合ったペースで、着実に介護のキャリアを築いていってください。


